62.「CX痛点」を抑えているか

元広告代理店勤務のmiyukiです。
さて、みなさんは「痛点」(ペインポイント)という言葉をご存知でしょうか。
2018年あたりからマーケターの間でささやかれていた言葉です。

そのサービスや商品にお客様はどんな不満点、がっかり感、期待はずれ、を
抱いているか。

要になるのは CX=カスタマーエクスペリエンス:顧客体験です。


 CXとは

CXいうのは、顧客が商品・サービスに興味を持ち、
その商品・サービスを利用するまでの一連の体験をいいます。

商品購入後のアフターサービスも対象に含まれます。

顧客がSNS評判や売り場のPOP、商品パッケージからその商品の利用イメージを
膨らませ購入します。
ここで顧客の期待感が増している状態です。

そして利用してみた結果、満足がいけばリピーターになるでしょう。

そうでなければ「痛点」となり、競合他社の商品に興味が移っていく場合もあります。


昨今、SNSの影響はすさまじく、インフルエンサーが「すばらしい」商品と
紹介するだけであっという間に売り切れになるなんてことは最近のセオリーとなっています。

これはCS顧客満足とは少し違う観点となります。

参照:
42.マーケターが見る、新しい販売形態とは。

 なぜここ数年で痛点にマーケーターたちは着目してきたのか

ここ10年ほどでインフルエンサーという言葉(言葉自体はマーケティング用語で
昔からありました。)や人が定着し、SNSでの情報拡散が多くなりました。

また、顧客もネット:ブラウザ検索ではなく、SNSを閲覧中に偶然見つけるとか
ハッシュタグで検索し、ほかの人の使用感などや金額を確認したうえで
自分も購入する、という流れに変わったからです。

つまり、最近は顧客の志向の移り変わりがすさまじく、昔よりも簡単に簡便に
他社商品に鞍替えすることがあたりまえになったからです。

その中でいかに顧客を捕まえておくか、マーケーターは
ここに痛点があるとにらんだのです。



 顧客がなにを考えどう動くかを考える

痛点、、、顧客が何に不満を抱いているのか、なにを求めているのか。

これに関しては前にも記事にしたニーズとウオンツのことかな?と思ってしまいます。
参照:
32. マーケティング 捉え方を変える。ウォンツとニーズの違い。そしてマーケティングの神髄。

ニーズとウオンツ視点は商品の企画には基本となる考え方ですが、
その後、売れ続けるためには次のステップに移行しないといけません。

それが次の課題、
期待はずれがなんだったのか(痛点)を探し出し
商品・サービスの改善を図ります。

顧客にとっての痛点は商品を買った満足度のほかに
お金を払ってでも解決したい課題のことを指します。


ここに顧客が痛点によってどんな損害を受けたかのデータがあります。

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生活者が感じる不便や期待外れといった「痛点」にフォーカスした調査を実施

【痛点によって受けた損害】(n=8,041)
時間的損害(無駄な時間を費やした、必要な時に利用できなかったなど)があった…62%
金銭的損害(修理費など追加で費用がかかったなど)があった…12%
身体的損害(けがなど)があった…3%


 時間的損害は「商品の不着」、「不良品・故障で代替商品手配にかかった時間」など利用前・利用時から、「問い合わせ電話がつながらない」、「窓口の知識不足で対応がたらいまわしになった」など利用開始後のサポートの場面でも起こっている。

  痛点が発生して解決までに時間がかかると、「時間の無駄」や「損」といった負の感情につながる。
痛点の解決を求めた顧客が企業へ問い合せた回数を見ると、1回で解決したのは約4割にとどまる。解決までに複数回かかったのも4割で、「まだ解決していない」というケースも1割以上あった。
時間的損害は問い合わせ回数と比例して増えていく(上の表)。
出展:株式会社日経リサーチ
ーーーーーー


以上のデータからも
商品以外の痛点があることがわかります。
何事も不満に対しては早期解消が一番です。


 よく聞く具体例


消臭商品でおなじみのファブリーズ。
きれい好きな人、おしゃれで家の中がきれいに片付いている人向けの商品だと思いがちだが、実施に使っているのは汚部屋の持ち主がヘビーユーザーでした。

この汚部屋の持ち主は洗濯と洗濯ものをたたんでしまう、片付けるのが苦手、
苦痛な人達であり、この人達にとっての痛点は「洗濯」。

この痛点に対してしゅっとひと吹きで悪臭を消せるという代物をメーカーが提供し
お金を払って痛点の解消法をこの人たちは得ました。


同じ理由で「CookDo(クックドゥ)」。
こちらも手間をかけずに手抜きにみえないクオリティと時短という価値を
お金を払って得られます。(痛点を解消)


少し視点を変えて、次に紹介するのは「痛点解消」を徹底したPeach、Peach(ピーチ)。

LCCのピーチは自ら「空飛ぶ電車」を標榜している必要最小限が整ったエアラインです。

顧客満足度アップをを追求してしまうと モノ・人 にコストがかかりすぎます。
それを望むのならJAL,ANAへどうぞという姿勢。

顧客の
機内飲み物、ここちよい座席、座席の映画動画視聴、音楽が聴ける設備、
荷物預け入れ、素敵な笑顔で気遣ってくれるCAさんなどがコミコミのパック料金は高い、
そんなものは不要、とにかく安く目的地に着きたいという痛点。

そこに徹底的にフォーカスし、
既存のエアラインのシステムから引き算をしていき、
機内飲み物、座席指定、機内持ち込み以外の荷物は搭乗者が必要であれば別料金を支払ってください、というシステムがピーチ。

これでLCCというカテゴリーを確立しました。


 気を付けたい口コミ

最近はたまたま当たりがわるかった(雪で商品到着が遅かった、配送途中で割れていたなど)自分の体験をネットにさらす人がいます。

自然災害、本人の誤解や勘違いでもその商品やブランドのイメージが落ちることもあります。

このような顧客がでないようにあらかじめ準備しておくことも必要です。

例えば、お問い合わせ窓口を設置する、メールでの対応はすぐ返信など、
早期に解消していれば問題が炎上しにくいのです。

なにごとも早期解決
これが企業にとっては一番の重要任務ではないでしょうか。




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