58.UL・OS(ウル・オス)にみるパッケージ・デザインの変更の効果

元広告代理店勤務のmiyukiです。

年末ですね。12月初めくらいは例年よりあたたかかったのに
いきなり年の瀬になったら寒波が押し寄せ寒くなりましたね。


冷たい風が吹くと肌も乾燥し、肌荒れの原因にもなっています。

女性のみならず男性もお肌のお手入れが必要になってきます。
男性用化粧品といって思い浮かべるのは私はこれです。



↑これ、皆さんも見かけたことがあると思います。

ですが、最近はパッケージが変更され




↑こちらになっているのです。

ご存知でした?

興味がわいたので
今回は UL・OS(ウル・オス) のパッケージについて書いていこうと思います。

UL・OS(ウル・オス) 皆様もご存じの男性化粧品です。
2019.8月
製品リニューアルによるパッケージのデザイン変更しました。


詳細はこちら
【新製品】ウル・オス、保湿3製品をリニューアル 大塚製薬
https://www.yakuji.co.jp/entry74113.html

UL・OS(ウル・オス)2008年9月発売
https://www.otsuka.co.jp/ulos/


 マーケティング的にみる一般的なパッケージデザイン変更の理由は、


1.発売当初より売り上げが芳しくない場合(長期で売上低迷)のテコ入れ
2.ロングセラー化を目的とし、ブランド力の強化とシリーズ製品の拡充
3.ロングセラー化のその後の手段。ブラッシュアップし、マンネリ感を払拭させる目的
4.かつての人気ブランド商品を復活させ、さらなる売上拡大をはかる

など、その商品の売れ行き、歴史により様々な目的のもと行われます。

企業は売上増加、ブランド力強化を目的をしているわけですから、
このパッケージデザイン変更が吉とでるか凶とでるか、
企業にとっては運命の分かれ道です。




 ほかの商品で過去の事例をみてみる。

失敗例からご紹介します。

●牛乳石鹸といえば「赤い箱」が印象的ですが、

一時期ピンクに変更したときがありました。
これが消費者には不評で売上が落ちました。

やはり牛と赤という配色は一目見てわかりやすいですし、
赤と黒に間をうめるように白が入っている、あるいは赤と白にアクセントで
黒が入るのは日本人にとって安心感につながる配色ではないでしょうか。
(日本は赤と白が魂に生まれながら魂に刻み込まれてますものね)

その安心感があるのにピンクにしてしまったのは、
不安定要素にしか変換されません。

ピンクも使い方によっては上品、エレガントな印象を与えますが、
赤と白のバランスを崩したパッケージは気持ち悪さしか残りません。


1974年のデザインリニューアルで箱の背景色をピンクに改めたところ、売上が大幅に減少。消費者や販売店からも「赤箱の色が褪せたように見える」といった意見が相次いだため、短期間で背景色を赤に戻すことによって売上を回復させました。
Wikipediaより



↑初代(赤)



↑4代目(ピンク)




●Tropicanaといえばオレンジのイラストが印象的な100%ジュース


初代のパッケージは「シズル感」が演出されいて見事です。
100%ジュースというのが見た瞬間、脳にストレートに入ります。
なにせオレンジに直接ストローがさしてあるので、、、

ところが新パッケージはきれいでスマートさが出ていますが、
当初のダイレクトにオレンジにストローがさしてあるという
インパクトとわかりやすさはなくなってしまい
果汁100%の印象が薄れてしまっています。
(パッケージにはオレンジ100%と書いてありますが)

初代パッケージからオレンジを抜いてしまい、さらに果肉ありなしの表示も取ってしまい、
とてもインパクトに欠けたものになってしまいました。

これにより1か月で20%以下の売上が落ち、消費者からの苦情が相次いだので
その1か月後には元のデザインにもどしました。

引用:
https://asobo-design.com/nex/blog-4-2-21909.html


↑初めのパッケージ



↑失敗したパッケージ






次に成功例です。

●キリンレモンといえば、三ツ矢サイダーと双頭の炭酸飲料ですね。


こちらは2014年からほどんどリニューアルはしておらず、手付かず状態のため、
結果、ゆるやかな売り上げダウン状態でした。

そこでマーケティングリサーチを行い、現代のトレンドの「甘さ離れ」「健康志向」に
もともとキリンレモンの特長であった「着色料・人工甘味料を使わない」を
全面にだしパッケージデザイン変更しました。

わずか1週間で1000万本売り上げがあり好調な滑り出しとなりました。

ソース:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1805/14/news016.html



 まとめ

以上のことから、パッケージデザイン変更は商品の売上を大きく変えるものであるくらい
大切かつ慎重に行わなければいけないことをおわかりいただけたと思います。

商品を発売して10年20年たつとやはりテコ入れが必要となります。



 さて、UL・OS(ウル・オス)はどうでしょうか。


初代の白パッケージはおしゃれ感よりも清潔感を打ち出したかったのだと思われます。

あの白いパッケージですと
ファミリーの洗面台でも違和感ありませんものね。

奥さんの化粧品、旦那さんのウルオス、子供用ミノンなどと並べて置いてあっても
問題ありません。

むしろ、女性用まちがって手にとる可能性もあります(;^_^A

また、あの白いパッケージですと男性が持ち歩いて出先で塗布していたとしても
清潔なイメージがあり嫌味がありません。


ウルオスが発売されたのが2008年。

<2008年の出来事>
福田首相が辞任、麻生内閣発足
松下電器産業がパナソニックへ社名変更
北海道洞爺湖サミットが行われる
ユーキャン流行語大賞は「グ~(エドハルミ)」、「アラフォー」
大河ドラマは「篤姫」
崖の上のポニョが公開され
M1ではノンスタイルが優勝
TwitterとFacebookの日本語版が公開

こんな時代です。

混沌といいますか
立錐の余地もないSNS時代の幕開けの年です。

その後のLINEやインスタ、TikTok、YouTube(日本における隆盛)が
こんなに世の中を支配するとは夢にも思わなかった時代ですね。

新しいことが始まる、
こんな時代に「白」というパッケージはあっていたのかもしれません。


そして新パッケージ(2019)の黒に転換です。
「白」と「黒」は真逆ですね。
光と影くらいのコントラストがはっきりするほどの色の認識の違いがあります。

これは、ファミリー層ターゲットから若い世代にターゲットを変えたのでは
ないかと思います。

昨今、ジェンダーレス、同性婚が認められ、いろいろなボーダーラインが
取っ払われ、ある意味フリーになりつつあります。
(個人的には夫婦別姓になればいいなと思います。)

男性が整形や化粧するのも当たり前、お肌を整えるのも当たり前の時代です。

もう男性だから化粧水、乳液もっていると恥ずかしいなどと
いわれる時代ではなくなりましたので
若い世代のみならずパパさん世代でも堂々と持ち歩いてもいい世の中です。

世の中の流れに沿って、主張する黒にベースを方向転換したとて
売上減にはつながらないと判断したのかもしれません。


!!

ところが、マーケターの私はひねくれた読み方をします。

色にはその色がもつメッセージがあります。

黒:男性的、クール、威厳、自信、独立心、高価
(もちろんマイナスイメージもあります)

など、黒がもつ色の印象、性格から

ジェンダーフリーの世の中だけども
世の男性諸君、もっと自信を持て!世の中を変えていけ!
と言っているような気がします(笑)







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